令和元年 秋季彼岸会「和顔愛語」
秋の花文字の言葉は、「和顔愛語」です。おそらく皆さん、何度もご覧になったりお聞きになったことがある大変有名な言葉ですが、もとは、仏教の教えのなかの言葉、『仏説無量寿経』のなかにある言葉です。
おだやかな笑顔と相手を思いやるあたたかな話し方、やさしい言葉で人に接すれば、他人の心をおだやかにすることができることを教えて下さる大切な言葉です。
私たちは日々の生活を送る中で、さまざまな方とお会いしますが、相手が不機嫌そうな表情や、汚い言葉で接してこられると、こちらも身構えてしまいます。つい、こちらの言葉もきつくなったり、何かしら事務的な冷たく感じられるような対応をしてしまいがちになってしまいます。
人はいかりにはいかりをもって応酬してしまいます。それでは、穏やかな日暮らしなどできるはずがありません。いやな気分で毎日過ごさなくてはなりません。随分と心はさびしい、貧しい状態です。
逆に、もし、やさしい笑顔やあたたかな言葉で迎えてくださると、こちらの気分も良くなります。ただそれだけで、疲れが吹き飛んでくれる気がすることさえあります。
ほんの些細なことかもしれませんが、みんなが「和顔愛語」を心がければ、みんなの心がまあるくなり、笑顔が循環する素敵な世の中になると思います。