花文字

平成24年 秋季彼岸会「倶会一処」

 仏説阿弥陀経のなかに「倶会一処」という言葉があります。大谷墓地のお墓参りの際に正面に「倶会一処」と彫られた墓石を見たことがある方もいらっしゃると思います。この言葉は、ともにひとつのところでお会いしましょうという意味です。ともに会えるところとは、阿弥陀如来さまのつくられたさとりの世界、お浄土という世界です。

 大変に悲しいことですが、私達はこの世に生まれてきた限りは、愛しい人、大切な人達と必ず別れていかなくてはなりません。誰一人として例外はありません。そして、その悲しい別れは、何の前ぶれもなく起こる場合も度々あります。突然の別れは、さびしくて、とてもつらいものです。

 でも、私達には、必ずまた会える世界があります。それがお浄土です。人生を歩んでいくなかで、様々な悲しい別れを経験しなくてはならない私達でありますが、また必ず会える世界があるからこそ、今を頑張ることができる。また会えると思えるから、さびしさも少しは和らぐことができるのです。

 そのお浄土への道は、いのち終わるときにはじまるのではありません。今、阿弥陀如来さまの「必ず救う、われにまかせよ」というよび声が南無阿弥陀仏のお念仏となってはたらいていてくださることに気づかせていただくその時に、私のこの人生は、お浄土へと向かう確かなものとなります。

 「倶会一処」、必ずお浄土で会える人生を間違いなく歩ませていただきましょう。

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