花文字

平成21年 春季彼岸会「樹心佛地」

 この言葉は、親鸞聖人の主著である『教行信証』の最後に出ており、そこには「心を弘誓の佛地に樹て」としめされ、阿弥陀如来の本願にであえたよろこびを味わい深くのべられています。ここで「樹」の字を「たてる」と読むことに注目します。私のこころは、浮き草のように風に吹かれ水に流され定まることがありません。そのような私たちを救おうと阿弥陀如来は、願い(本願)をおこしてくださっています。この本願のこころを疑いなくいただくままが他力の信心です。そして、そこにひらかれるゆるぎないあり方が、見えないけれども地中深くに根をはる樹木のように「樹心佛地」と表現されています。

  • 平成21年 春季彼岸会「樹心佛地」
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