花文字

平成28年 春季彼岸会「念仏往生」

 春の花文字は、念仏往生という言葉です。この言葉は、浄土真宗のみ教えの根本をなす大切な言葉です。

 浄土真宗聖典(註釈版)の巻末註によりますと、念仏往生とは、「阿弥陀仏より選択回向された名号を信じて称える行が往生の業因であることをいう。」と説明されています。

 親鸞聖人は、凡夫の私がそのままで救われるみ教えを顕かにされました。凡夫とは、欲・怒り・愚痴などの悪しき心(煩悩)から離れることのできない私のありのままの姿です。自らの力では、決して仏になることなどできないのです。

 阿弥陀如来は、そんなあなただからこそ、救わずにはおれないと、たとえ私たちが、その救いに背をむけようとも、必ず摂めとって決して捨てないと南無阿弥陀仏のみ名にあらゆる功徳を込めて、「必ず救う、われにまかせよ」と喚び続けていてくださるのです。

 その南無阿弥陀仏を疑うことなく受け取らせていただく、阿弥陀如来のお救いのはたらきを信じる心ひとつで如来の浄土に生まれる身とならせていただくのです。

 そして、そのよろこびは南無阿弥陀仏のお念仏となってわたしの口からでてくださるのです。

 心に信心、口に称名、阿弥陀如来のお徳をたたえ、お念仏の薫る日暮らしをさせていただきましょう。

  • 平成28年 春季彼岸会「念仏往生」
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