平成26年 秋季彼岸会「即得往生」
秋の彼岸の花文字は、即得往生という言葉です。一般に往生といえば、私が死んだ後の行先の問題、ずっと未来の救いと思われがちですが、そうではなく、現実の問題、今生きているこの時の私の救いこそが問題なのですよと親鸞聖人は教えてくださいました。
往生は、この私が真実の世界、お浄土に生まれることですが、そのお浄土への道は、けっして私のこのいのち終わるときからはじまるのではありません。未来の救いより、今この時の救いの方が私たちには大切な筈です。
阿弥陀如来さまは、けっして休むことなく今まさにこの時に、私のために働いていてくださる、そのお救いに気づかせていただく、阿弥陀如来さまの「必ず救う、われにまかせよ」というよび声が南無阿弥陀仏のお念仏となって私のもとに至り届いていてくださることに気づかせていただき、疑いなくそのお救いを受け取らせていただくその時(浄土真宗ではこれを信心を得ると申します)、往生浄土が定まるのです。
そのことをお示しいただいた言葉が即得往生という言葉です。
阿弥陀如来さまに導かれながら、彼の岸、お浄土への道を間違いなく歩ませていただきましょう。