花文字

平成25年 春季彼岸会「西方浄土」

 春のお彼岸の花文字は、西方浄土です。阿弥陀如来様の世界、お浄土は西にあるというように聞かれたことのある方もおられると思います。

 このことについて、お釈迦様は仏説阿弥陀経の中で、「これより西方に、十万億の仏土を過ぎて世界あり、名づけて極楽といふ。」とお示しくださっております。

では、お浄土(極楽)は、どうして西方にあるとされているのでしょうか。

 それは、私たちが、何かしら形あるものがないと、そのものの存在を受け入れることができないからです。お浄土は、私たちの知識では、到底はかり知ることのできない煩悩の穢れなき清らかなる世界です。それゆえ、お浄土をこの私に知らしめるために、具体的な方向を指し示してくださったのです。

 西方とは、本来一定の方向に定められることのできないお浄土を、凡夫である私たちに合わせてお釈迦様がお示しくださった私の人生の目的地、行先です。

 そして、西というのは、一日の始まりに太陽が東から昇り、一日の終わりには西へ沈むように、私のいのちが終わる時の私の進むべき世界、道筋を指し示していてくださいます。

 阿弥陀如来様は、迷いのこの世から真実の世界へと生まれさせたいと願い、私のために西方浄土を建立してくださったのです。

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