平成21年 秋季彼岸会「法味愛楽」
天親菩薩は『浄土論』のなかで「如来淨華の衆は、仏法の味はひを愛楽し、禅三昧を食となす」と述べられます。阿弥陀如来は浄土建立に当たって、私たち迷いの世界では食べるものに貧富の差があることに心を痛められ、仏国土では常に仏法の味を愛楽し、禅三昧を食とするようにして、他に食を求める労苦がないようにという願いを興こされたのでした。これがこの言葉のもともとの意味ですが、一般に「仏法を聞き味わうことを喜ばせていただく」という「お聴聞の歓び」を表す言葉として通用しています。