平成20年 秋季彼岸会「兵戈無用」
「兵」とは、「戈」とは武器を意味する言葉です。この言葉は、親鸞聖人が真実の教えを説いたお経とされた『大無量寿経』に「仏の歩むところ、あらゆるところの、あらゆる人々はみな、その教えの尊さを思わない者はいない。人々のこころは、豊かに安らかであり、兵士や武器を全く必要としない世界である」と示されています。「兵戈無用」などというと、それだけで理想論と片付けられてしまいそうですが、この世界こそ全仏教者のめざすべき世界でありましょう。親鸞聖人がお手紙の中で、「御念仏こころにいれて申して、世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」と申されました。まさにこの「兵戈無用」の世界を願っての歩みが念仏者の生活であるということを示されたお言葉でした。