令和3年 春季彼岸会「和顔愛語」
仏教では、私たちの行いを、身体で行うもの、言葉であらわすこと、心で思うことの三つに分けています。
身口意の三業といいます。
そのなかでも特に重要なのが、意業、私の心のはたらきです。
よく、不調法をした時に、心にもないことをしてしまいましたと言い訳したりもしますが、そうではありません。
間違いなく、私たちが心のどこかで悪しき事を思っているから、それが立ち居振る舞いや言葉となって、表に出てしまうのです。
そのことを表したことわざに、「思い内にあれば色外に現る」という言葉があります。
心の中に秘めていることがあると、自然に顔の表情や動作に出るというたとえです。
私が嫌な気分の時、他人から見れば随分と声も陰気で、険しい表情をしている筈です。
そんな私を、相手はどう思われているでしょうか。
そんな私と一緒にいても、決して楽しいはずはありません。
では、どうすれば良いのか。
『仏説無量寿経』のなかに「和顔愛語」という言葉があります。
この言葉は、私たちが、良き人間関係を築くための心構えとして、おだやかな笑顔と相手を思いやるあたたかな話し方、やさしい言葉で人に接すれば、他人の心をおだやかにすることができることを教えて下さる大切な言葉です。
大切なのは、相手を思いやる気持ちです。
常日頃から、和顔愛語の心持ちで接することを、心がけてまいりましょう。