令和2年 秋季彼岸会「和顔愛語」
お釈迦様が、私たちにすすめられた日常において実践すべきおこないとして「布施」があります。
その布施のなかで財産がなくとも誰にでもできる布施行のうちの二つが、和顔悦色施、いつも和やかに、おだやかな笑顔をもって人に対することと、言辞施、思いやりのこもったやさしい言葉を使うことです。
この二つの慈悲の行いをあわせもった言葉が、『仏説無量寿経』のなかの和顔愛語という言葉です。
たとえお金や財産をもっていなくても、私たちが和顔愛語、笑顔とあたたかい言葉で他人と接することができたなら、それだけで相手を心安らかにすることができます。
こちらがどんなに疲れていても、不機嫌であっても、優しい笑顔で迎えられ、お疲れさまでしたね。
大変でしたね。ありがとうございます。そんな風に接してくださったら、疲れが吹っ飛んでしまう気がします。
思わず、こちらもにこやかな笑顔、穏やかな気分になる気がします。
もし、相手を笑顔にしたかったら、先ず私が笑顔になりましょう。
優しい言葉をかけてほしかったら、先ず私の方から思いやりを込めてあたたかい言葉をかけましょう。
わずかなことかもしれません。でも、いざ実際にやってみるとなかなか難しいようにも思えます。
照れくさいかもしれません。もしかしたら、笑われるかもしれません。
でも、相手を嫌な気分にさせることはありません。
いつか、必ず相手からも和顔愛語がかえってくるはずです。