令和4年 秋季彼岸会「和顔愛語」
秋の花文字には、『仏説無量寿経』より「和顔愛語(わげんあいご)」という言葉をいただきました。この言葉の意味は、使われている文字から意味がうかがえるとおり、やわらかな顔とやさしい言葉、いつも笑顔で過ごし、やさしい言葉で話すことの大切さを示した言葉です。
私たちの生活には様々な情報があふれています。携帯電話の普及とともに情報の受け手となるだけでなく、自らも簡単に発信できるようになりました。私たちが日々発信する情報は文字・写真・動画と多岐にわたっています。そうした情報の中には、まだ歩くこともできない赤ちゃんまでも写真や動画に登場することがあります。
名前も知らない赤ちゃんの何とも言えない笑顔を見ていると、こちらまで笑顔になり、心の中は幸せな思いで満たされるような感じがします。大勢の方が、同じように無垢な笑顔に幸福を感じるからでしょうか。赤ちゃんの笑顔ばかりを集めた動画やテレビ番組には一定のニーズがあるようです。
赤ちゃんの笑顔が私に幸せな気持ちをもたらすように、家族、友人、仕事仲間、ご近所の方といった、まわりの人に対し、穏やかな顔と優しい言葉で接すると、相手をより一層幸せな気持ちにすることができるのではないでしょうか。
そして、和顔愛語の心で接していくことは周りを笑顔にするだけでなく、私自身の生活にも彩りがあふれていくはずです。
今日のご参拝が「ありがとう」と手を合わせながら和顔愛語の日暮しを送られるご縁になればと思います。
合 掌