花文字

令和8年 春季彼岸会「成就如是」

 春彼岸の花文字は「成就如(じょうじゅにょ)是(ぜ)」です。浄土真宗でおつとめするお経の一つ『仏説(ぶっせつ)阿弥陀(あみだ)経(きょう)』に説かれる「成就如(じょうじゅにょ)是(ぜ)・功徳(くどく)荘厳(しょうごん)」という経文から選びました。『阿弥陀経』は、阿弥陀さまがお建てになったお浄土を、私たちがいのち終えたときに往(ゆ)き生(う)まれる世界として説かれたお経です。

 そのお浄土は、「うるわしいすがたをそなえ、すでにととのって完成し、すでに用意されている」と説かれます。阿弥陀さまの「あらゆるいのちをお浄土に生まれさせる」という願いによって、お浄土があることが示されています。

 また、お浄土は、私たちには到底はかり知ることのできない世界であるとも説かれます。阿弥陀さまは、私たちが教えに遇(あ)うことができるように、さまざまなかたちでお浄土を示してくださいました。その一つが、お寺の本堂の「内陣(ないじん)」と呼ばれる空間です。内陣には阿弥陀さまをご安置し、仏具やお仏花などの荘厳(しょうごん)がととのえられています。これらの荘厳は、お浄土の尊さを私たちに表してくださっています。

 日常生活の中でも、家に帰ったとき、「おかえり」と声をかけられると、一日の疲れがふっと軽くなり、心が安らぎます。そのような、「安心して帰っていけるお浄土がすでに用意されている」と阿弥陀さまが私たちに荘厳のすがたを通して示されていると味わうことができます。

「成就如是」とは、いのちの往(ゆ)き生(う)まれる先であるお浄土が、ととのっているということです。阿弥陀さまのおはたらきに支えられ、私たちは安心して生きていけるのです。

 春のお彼岸をご縁として、お経の響き、お香の香り、荘厳された内陣のすがたを通して、阿弥陀さまのお心に出(で)遇(あ)ってください。いつでも、どこでも、あらゆるいのちに阿弥陀さまのお心は向けられています。お浄土への道を、ともに念仏申す身となり、強く明るく歩ませていただきましょう。

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